【気候危機に関する気象予報士・気象キャスター共同声明】声明全文&賛同人44名を掲載!!
「日常的な気象と気候変動を関連づけた発信」で命と未来を繋ぐ。
気候変動が深刻化する現在。生活者にとって身近な天気予報や報道は、日々体感している異常気象の原因について自覚する大きなきっかけ・チャンスになります。そこで、2024年6月5日“世界環境デー”に合わせ、全国で活躍する気象予報士・気象キャスターが【気候危機に関する気象予報士・気象キャスター共同声明】を発表しました!!
▶️6/5記者会見のプレスリリース
▶️共同声明全文、賛同人一覧PDF
◆【気候危機に関する気象予報士・気象キャスター共同声明】全文を掲載
【気候危機に関する気象予報士・気象キャスター共同声明】
「日常的な気象と気候変動を関連づけた発信」で命と未来を繋ぐ。
~今こそ気象予報士・気象キャスターが気候危機解決への架け橋に~
【共同声明メッセージ】
気象予報士・気象キャスターの多くは気候変動に危機感を持っています。天気予報の時間枠に限らず、私たちは「日常的な気象と気候変動を関連付けた発信」を目指し、気候変動問題解決に向けた命と未来を繋ぐ行動を加速させます。専門家や各メディアとの連携、協力を強化し、気象予報士・気象キャスターが気候危機解決への架け橋になります。
■ 問題意識の背景、科学的根拠を示すことが可能になった現在
地球温暖化による異常気象は、猛暑、豪雨、洪水、干ばつなど、既に世界各地で甚大な被害をもたらしており、私たちの食や農、生活を脅かす深刻な問題となっている。IPCC第6次評価報告書*1では「人間の影響が温暖化させてきたことは疑う余地がない」と明記され、極端な気象に対して人間活動の影響が高い確信度で評価された。近年、気象研究所などイベント・アトリビューション*2の研究により、特定の気象や事象と気候変動の因果関係が明らかにされるようになった。
■ 情報を届けるメディアの重要性
米イエール大学の調査*3によると、世界のおよそ70%の人々が、気候変動を解決する方法について情報を求めており、日本では気候変動が「非常に重要/極めて重要」と答えた人は55%。一方「重要ではない」と答えた人はわずか12%だった。別の調査*4では「脱炭素」に向けて行動している人は33.6%に留まり、関心はあるが行動に至っていない状態が続いている。また、内閣府「気候変動に関する世論調査」2023*5では気候変動の影響に関する情報について、9割以上の人がテレビやラジオから情報を取得しており、メディアで正しく情報を伝えることの重要性が伺える。
■ 気象予報士・気象キャスターが伝えることの意義と課題
気象予報士・気象キャスターは視聴者/読者にとって身近な存在であり、日常的に情報を伝えられる立場にある。「誰に呼びかけられると気候危機への関心が高まるか」との調査*6で、科学者や専門機関に次いで気象キャスターの評価が高く、広く社会に共有する重要な役割を担っている。
全国で活躍する気象予報士・気象キャスター130人にアンケートを行ったところ、90%以上の人が「気象情報の中で気候変動に対する危機感を持っている」、80%以上の人が「気象情報の中で気候変動についてもっと伝えるべきだ」と答えた。一方で、気候変動を伝える上で難しい理由については「放送時間が限られる」「専門的で難しい」「視聴者/読者や社内の関心がない」等の課題も見えてきた。
■ メディアとの連携など今後の取り組み
国連広報センターとメディアによる気候キャンペーン「1.5°Cの約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」は3年目に入り、全国各地のテレビ/ラジオ/新聞/雑誌/オンラインメディアなど160社が参画している。気候変動の自分事化と解決に向けた発信をしようとするメディアの動きに気象予報士・気象キャスターも賛同・連帯する。今後、放送枠の確保など課題解決のために、関心のあるメディア関係者からの提案を積極的に受け入れ、現場やニュースルーム全体での理解を広げる。また、国内外の専門家と情報連携し、共に「気象と気候変動を関連づけた発信」に取り組み、一般の理解を深め気候危機の自分事化/行動変容に貢献する。
2024年6月5日 気象予報士・気象キャスター呼びかけ人、賛同人一同
*1 https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar6/IPCC_AR6_WGI_SPM_JP.pdf
*2 イベント・アトリビューション(EA)とは、ある年に起きた特定の異常天候や極端現象などの地域的気象イベントに関して人間活動の影響を評価する試みである(Christidis et al. , 2013)
*3https://climatecommunication.yale.edu/wp-content/uploads/2023/11/international-public-opinion-climate-change-2023-appendix.pdf
*4 https://www.hakuhodo.co.jp/news/newsrelease/108914/
*5 gairyaku.pdf (gov-online.go.jp)(2023)
*6 国連とメディアによる気候変動対策キャンペーン「1.5℃の約束」インパクト調査
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
◆【気候危機に関する気象予報士・気象キャスター共同声明】賛同人一覧
呼びかけ人・賛同人:
井田 寛子 気象キャスターネットワーク
正木 明 朝日放送「 おはよう朝日です」
賛同人:
近藤 肇 北海道放送 ウェザーセンター
児玉 晃 北海道放送 ウェザーセンター
伊藤 真梨子 北海道放送 ウェザーセンター
菅井 貴子 北海道文化放送
今野 桂吾 東北放送報道制作局tbc気象台
斉田 季実治 NHK「ニュースウオッチ9」出演中
片山 美紀 NHK「首都圏ネットワーク」出演中
伊藤 みゆき NHKラジオセンター
福田 寛之 NHKラジオセンター
寺川 奈津美 NHKラジオセンター
南 利幸 南気象予報士事務所 代表取締役
広瀬 駿 南気象予報士事務所
渕岡 友美 南気象予報士事務所
山神 明理 日本テレビ「Day Day.」出演中
服部 由佳 日本テレビ「日テレNEWS24」「ストレイトニュース」
森田 正光 TBS「Nスタ」出演中
増田雅昭 TBS「THE TIME,」出演中
國本 未華 TBS「Nスタ」出演中
天達 武史 フジテレビ「めざまし8」出演中
今村 涼子 テレビ朝日「スーパーJチャンネル」出演中
水越 祐一 テレビ朝日「大下容子ワイド!スクランブル」出演中
河津 真人 ウェザーマップ
東海林 克江 J-WAVE
名倉 直美 気象キャスターネットワーク
久能木 百香 気象予報士
渡部 圭吾 静岡朝日テレビ「とびっきり!しずおか」
寺尾 直樹 NHK名古屋「まるっと!」
桜沢 信司 CBCテレビ「チャント!」
福島 智之 東海テレビ「ニュースONE」
吉田 ジョージ 東海テレビ「スイッチ!」
長村 真里 北陸朝日放送「ふむふむ」
蓬莱 大介 読売テレビ気象キャスター
片平 敦 関西テレビ「newsランナー」
塩見 泰子 南気象予報士事務所
塚原 美緒 広島テレビ
岩永 哲 中国放送ウェザーセンター
中島 望 NHK岡山放送局
石川 博康 山陰放送
津村 研太 愛媛朝日テレビ
吉竹 顕彰 NHK福岡ニュース「ロクいち!福岡」出演中
浅川 かがり 鹿児島放送
山崎 秀樹 日本気象予報士会
合計44名 ※個人連名の声明であり、媒体や所属団体は本声明に関係するものではありません。
問合せ先:
weatherforecaster.climate[at]gmail.com(主催:気象キャスター呼びかけ人 井田寛子 宛)
contact[at]media-is-hope.org(協力:一般社団法人Media is Hope 西田吉蔵/名取由佳 宛)
【メディア掲載まとめ】6/5(水) 気象予報士・気象キャスター共同声明 発表記者会見、たくさん取材いただきありがとうございました!!